『風蓮湖』は根室半島のつけ根に位置し、周囲約96kmの海水の混ざる汽水湖です。 野付風蓮道立自然公園の中にあり、広大な湿原や森林、砂丘など変化に富んだ自然環境が広がっています。
国内最大の白鳥の飛来地としてだけでなく、春国岱と合わせると日本で観ることができる半数以上、約330種の野鳥が観察される、屈指の野鳥の楽園として、全国的に知られています。
白鳥が訪れるのは10月上旬から風蓮湖が結氷する12月下旬まで。そして翌年の3月中旬から5月上旬までです。
風蓮湖と根室湾を区切るように、長さ8km、幅1.3kmの長大な砂州が『春国岱』です。
海に浮かぶ森のような、約3kmにも及ぶ国内最大級のハマナスの大群落や、エゾカンゾウ、センダイハギなどの原生花。
砂丘上に自生するアカエゾ松の原生林などは世界的にも珍しく、学術的にも貴重なものとされています。
この豊かで貴重な自然環境を保全するため、「春国岱原生野鳥公園」が建設され、ネイチャーセンターでは、最新の自然情報の提供や調査研究のデータの公開を行っています。
風蓮湖と並んで、根室を代表する湖沼が『温根沼』です。
『温根沼』は、うっそうと茂るエゾマツの森に囲まれた周囲15kmの汽水湖で、根室湾につながっています。
干潮時には沖合いまで砂州となり、アサリやホッキ貝などの潮干狩りで賑わう風景は、『温根沼』の風物詩にもなっています。
納沙布岬の基点にあるのが『明治公園』です。
北海道で2番目に古い、明治8年に国が創設した牧場の跡地を利用した公園で
昭和7年と11年に建てられた、3基のレンガ造りのサイロがシンボルです。
平成18年10月、「根室十景の明治公園」は、地域に個性や魅力をもたらす優れた公園として
都市公園法施行50周年記念事業実行委員会が実施した「日本の歴史公園百選」に選ばれました。
『納沙布岬』は、北緯43度23分07秒、東経145度49分01秒に位置する、本土最東端の岬で、最も早く朝日と出会えるところとして有名です。
岬の先端に建つ納沙布岬灯台は、明治5年に点灯された、北海道で最古の灯台で、『納沙布岬』のシンボルでもあります。
すぐ目の前には歯舞群島の貝殻島や水晶島、そして国後島など北方領土が手に取るように浮かんでいます。
周辺には、北方領土や根室の観光・物産などを紹介している「望郷の家」や「北方館」、「観光物産センター」のほか、「平和の塔」をはじめとした土産店や食堂が軒を連ね、1年を通じて多くの観光客で賑わっています。
北方領土の早期返還を祈念して建立されたシンボル像「四島(しま)のかけ橋」そして「灯火台」には、沖縄から運ばれた”祈りの灯”が今日もあかあかと燃え続けています。
根室市街から南西に向かって約21km、太平洋に突出した岬が『落石岬』です。
自然の中の散策道を通ると、自生の南限地として国の天然記念物に指定されている、サカイツツジが一面に広がります。
サカイツツジは、6月上旬が見頃です。
光達距離約35キロの落石灯台、眼下の断崖に打ちつけるダイナミックな太平洋の荒波、そして岩礁の上で日向ぼっこしているアザラシやラッコの遊ぶ姿も、運が良ければ見ることができるかもしれません。
根室市街から落石岬へ向かう途中に展開する、数kmにもおよぶ砂浜が『浜松海岸』です。
沖合には、珍鳥「エトピリカ」やアザラシ、ラッコなどの繁殖地として北海道の天然記念物に指定されているユルリ・モユルリ島が浮かんでいます。
また、夏の昆布干しの風景も、この周辺の風物詩です。
JR西和田駅から約3km、太平洋に面し、緑豊かな針広混交林に囲まれた周囲約5kmの湖が『長節湖』です。
『長節湖』の湖畔には遊歩道があり、静寂の中に西国三十三観音霊場を含む45体の観音像が安置されており、湖を一周するには徒歩約1時間30分程かかります。
夏はバードウォッチングやハイキング、冬は氷上ヨットやワカサギ釣りなど、四季を通じて自然を満喫することができます。
※現在、長節湖はヒグマのフンが確認された為立ち入ることができません!
日本有数の漁獲高を誇る花咲港を一望することができる花咲岬。
そして、そこに建っているのが『花咲灯台』です。
『花咲灯台』のすぐ下に、放射状節理構造の玄武岩で、車輪を想わせる形をした奇岩、『車石』があります。
直径6mにも及ぶ形の見事さと大きさは世界的にも珍しく、国の天然記念物に指定されています。
近くには、直径1mから3m程度の車石が多数存在し、地球のドラマを感じさせてくれます。